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舞台 ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(2019年)


ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ2019 スポットCM

概要

日程: 2019年8月31日(土)~9月8日(日)
会場:東京都 EX THEATER ROPPONGI

作:ジョン・キャメロン・ミッチェル
作詞・作曲:スティーヴン・トラスク
翻訳・演出:福山桜子
歌詞:及川眠子
音楽監督:大塚茜

キャスト:ヘドウィグ:浦井健治 /イツァーク:アヴちゃん(女王蜂)

 

感想

六本木EXシアターで観劇しました。
夏前から、楽しみにしていた舞台。

『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』を知ったのは、
テレビの(映画天国かな?)の深夜放送で流れてきた時でした。

酔って家に帰って、テレビをつけると、映画が始まったくらいのところでした。
すごく酔っ払っていて、眠かったはずなのに、かじり付いてテレビを観ていた。
今にして思えば、あの時のヘドウィグの危うさとか、
圧倒的な美しさとか、すごく惹きつけられたんだと思う。

 

それで、なんだこの素晴らしい映画は!?と、調べてみたら、
実は元ネタは、オフ・ブロードウェイで上演されたミュージカルだった。
1997年、舞台をヘドウィグ(ジョン・キャメロン・ミッチェル)が脚本書いて、
演じたら、めちゃめちゃ受けて映画化されたみたい。

 

そういう経緯もあり、舞台で観てみたかった!
映画が先行なので、どんな風に、劇場という限られた場所で行われるのか、と。
 
この舞台は、ヘドウィグがいろんな過去を語って話が進んでいく。
なるほど、と。映画だと、もう少し語り部分は減るんだけど、
演劇で見せるなら、こうなるのか、と。

 

冒頭から、素晴らしかった!
登場の仕方や、最初にうたわれた歌で、ぐっと世界に引き込まれていった。
もうライブハウスに来ているみたいで。
2階席だったのが、残念。1階席はけっこう立ったりしてノリノリだったから、
もう一回リベンジしたい!

 

それに、登場の衣装も素晴らしかった!
ヘドウィグの登場するところから、すごく圧倒的なパワーを感じた。
あと、少し美輪さんな感じあったよね?わたしだけ?

 

わたしが、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』という作品を好きなのは、
当たり前のように、キリスト教や思想の考え方が入っていて、
(たとえば、「ジーザスってどう思う?」みたいな会話とか)そういう思考を、
私は持っていないから、すごく考えるきっかけになったし、

興味深く観ることが出来る。

 

とくに、劇中に「origin of love」という曲があるんだけれど、
これは、古代ギリシャの哲学者プラトンの著作『饗宴』の中に出てくる愛のはなしが元になっている。
人間は自分のカタワレを探している、という話。

 

プラトンって、アリストテレスの弟子で、
アリストテレスすごいよー!って広めた人って認識しかなかった。
「origin of love」の元ネタということで、『饗宴』を、読んでみたんだけれど、
現代の私たちには、おそらく、びっくり!な内容がいっぱいです。ほんとに。
ぜひ読んでみてください。
読むなら分かりやすーいこれ。(光文社はすごーく読みやすくできててオススメです)

饗宴 (光文社古典新訳文庫)

饗宴 (光文社古典新訳文庫)

 

 

『饗宴』ってタイトル、まず分かりにくい。
饗宴とは、古代ギリシャの宴会みたいなものです。ざーっくりいうと。
知識人たちがワイン飲んで、寝そべりながら話をします。

なんだそれ!(ちなみに、この宴会形態が、その当時の交流であり普通のことだったよう)

この『饗宴』に、アリストテレスも参加しています。
そして、何の話をするかというと、「愛」です。

おじさんが、集まって愛について語るって……!すごい。
そのなかで、アリストパネスという人が、
人間は自分のカタワレを探しているという話を語ります。
わたしは、この話が、すごく衝撃的で好きだった。
そもそも、人間が今の形じゃない……!っていう始まりかたが、衝撃でした。

そして、映画では、素晴らしいイラストで表現されているんだけど、
今回の演劇でも、アレンジされて使われていました。

イラストレーターさん。

emilyhubley.com

映画版のシーンはこちら。


The Origin Of Love - Hedwig And The Angry Inch

 

「origin of love」のシーンときは、涙が止まらなかった。
ヘドウィグの切実さとか、魂の救いとかそういうものが、

迫っていて素晴らしかった。

 

それに、この作品は、東ドイツとかベルリンの壁とか、
そういうことに、翻弄された人々が描かれている。
ヘドウィグは、東ドイツで、生まれて、
軍人に見初められて、東ドイツを出ることができる。
ベルリンの壁で分断された人々は、
どういう気持ちで生きていたのか、が描かれている。

そもそも、ベルリンの壁ってなんでできたのか?とか、
そういうことに目を向ける機会にもなる作品。

グミベアーとこぐまちゃんグミは、すごく考えさせられた。
権力の味がしたってすごいよね、
自分に置き換えては、考えられなかった。

 

階段を上がって扉を開けると
トミー・ノーシスのライブになってるところは、すごく笑えた。
トミーもヘドウィグ役の浦井さんがやってるようです、すごい。
それと、歌が、日本語版なのが良かった。

 

なんかもっともっと、書きたいこと、残したいこと、あるような気がするけれど
また、映画の話で書こうと思います。

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2019.09.01 EXシアターにて。

 

そのあと、二回目を観にいきました!

 

またまた、二階席で鑑賞したけど、楽しめました。 一階席とったつもりが二階席だったという。

 

今回は2回目ということで、なんとなくわかっている感じだったんだけど、 とても良かった!

 

とくに、wicked little townがとても良かった。

ヘドウィグが歌い始めたら、 一気に空気が変わって驚いた。

水の中に溶けていくような歌声だった。 本当に感動した。

 

やっぱり、最後のシーンは泣けちゃう。

胸が詰まりそうになる。 二回見れて本当に良かったです。

 

EXシアターよりも、舞台が広くて、良かった。

さすがZeppTokyo。

 

あと少しだけ最初に見たときと変わっていて、舞台っていいな、と思いました。

イツァークが、マイクで縄跳びしてたり。

あと、ベースがバイオリンの真似したり。

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2019.09.28 Zepp Tokyoにて。

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ オリジン・オブ・ラブ

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ オリジン・オブ・ラブ