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舞台 海辺のカフカ(2019年)

村上春樹原作の『海辺のカフカ』。

村上春樹は、初めての文学を読んだ時、挫折したけれど、人にすすめられて読んだ一作。

原作は、 面白かったし、蜷川幸雄が脚本、寺山しのぶが主演ということもあって舞台を鑑賞してきました。

概要

日程: 2019/5/21(火) ~ 2019/6/9(日)
会場: TBS赤坂ACTシアター

[原案・原作]村上春樹 

[劇作・脚本]フランク・ギャラティ 

[演出]蜷川幸雄 

[出演]寺島しのぶ / 岡本健一 / 古畑新之 / 柿澤勇人 / 木南晴夏 / 鳥山昌克 / 高橋努 / 木場勝己 / 他

 

感想

全シーンが、アクリルケースの中で行われる演出。

寺島しのぶがアクリルケースに入っている広告を見ていたが、全シーンがそういう演出とは知らず、驚いた。

2階席からの鑑賞ということもあり、アクリルケースが移動するさまは、豪快で圧倒される演出。初めての公開当時は、話題になったようです。

話の中身については、アクリルケースに気をとられるのと、そもそも、この話が、さまざまなエピソードからなる話なので、ぐっと引き込まれる、登場人物に引き込まれるという感じではなかった。

美しさや、アート的な部分が多い作品に感じました。

佐伯さん(寺島しのぶ)とカフカが、森の中の別世界で会うシーンは、白い光が二人に射して包み込むような、とても美しいシーンだった。白黒映画の光の感じに近くて、すごいなーと思った。

それに、寺山しのぶの美しい存在感は際立っていた。

 

実は、鑑賞中、ナカタさんの台詞の時に地震があったんだけれど、舞台は一瞬も止まることがなくって、すごいな、と間近で感じた。

 

最近、「山田玲司のヤングサンデー」を見ていた時に、演劇とは、その場で本当に巻き起こるリアルである、ということを言っていたのを思い出す。(山田玲司と奥田さんは演劇経験者のよう)

今回の舞台で、前のシーンで落ちてきたイワシが次のシーンで残っていて、役者が拾い上げたり、地震が起きても、演技は止まらなかったりという現象をみて、リアルに目撃していると感じる瞬間があった。

 

印象に残った内容で、

プラトンの『饗宴』の中で、劇作家アリストパネスが、「愛の起源と三つの愛について」演説(太古の昔、人間は2人でひとつだった。男男、男女、女女の3つの性があったが、神様の怒りに触れて、2つに引き裂かれてしまった。切り裂かれた人間は、寂しさを感じて、自分の片割れを探してさまよっている)のことを、大島さんが、話していて、私の好きな映画である、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』を思い出した。

あの話って、やはり有名な話なのか・・・。と。

 

そして、舞台音楽がシガーロスだったとは(鑑賞後に知りました)

前からシガーロスは、好きだったけど、あの安心するような、懐かしいような、物悲しいメロディは、とても合っていて、舞台での存在感が大きかった。

 


Sigur Rós - Vaka - Heima

 

 

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

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海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

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